病院案内

Q10.指しゃぶりは、すぐに、やめさせないといけないのでしょうか?

これも、いろんな考え方がありますので、その点、ご了承下さい。
でも、あまり目くじらを立てすぎるのも、よくないかもしれません。

3歳までは、気にしなくて良いでしょう。
外に出て友達と遊ぶようになれば、次第に減ってきます。
しかし、5~6歳になっても、まだ、ひどい指しゃぶりがあるようなら、やめさせる必要があります。
あごの発達や歯並びにも影響がありますので。
その時、あまり強制するのではなく、子ども自身に、指しゃぶりは良くないのだと自覚させ、徐々にやめていくようにします。
決して、怒ってはいけません。

(「家庭の歯学」クインテッセンス出版より引用)

以下は、私が、自ら子育てした経験からお話しします。

うちの子も、いつやめさせようか、と心配になっていましたが、4歳になったころ、自然にやめてくれました。
指しゃぶりはストレス解消だ、という説もありますし、やめさせた反動のほうが恐い気がしました。
指しゃぶりをしながら、スヤスヤと眠りにつくのを見ると、無理やりに、やめさせることはできませんでした。
やめたのは、ちょうど保育園で友達と楽しく遊ぶようになったころだったようです。

とはいえ、指しゃぶりは、歯並びのため、口もとなどのためには、良くないと、私も思っています。
できることなら早くやめさせた方がいいと。

しかし、その、やめさせ方が問題のようです。
くれぐれも、大人が、余裕のある時に、指導して下さい。

教科書(指導書)と実生活とは隔たりがあるようです。
そんなに思ったとおりに、物事は進んでくれませんね。

指しゃぶりしている子は、親の愛情が足りないとかいう説もありますが、私は、そんなことはないと思います。
指しゃぶりにも、意味があります。しかも割と重大な意味が。
新生児は、母親のお腹の中で、母乳を飲むためのトレーニングをしてきた。
新生児の指しゃぶりの意味は、空腹を満たすために、生きていく上で正常な反応である。

口という敏感な組織が、将来いろいろな食べ物が口に入ったときに、嘔吐反射や吐き出しなどのパニックを起こさないための脱感作の役割も果たしています。
離乳食のトレーニングをしているという視点で見てあげることも大切です。

新生児の指しゃぶりは、心地よく大切なものですから、離乳期になっても、口に指をもっていくのが習慣になるのは当然です。

しかし、ここで、あなたは親として、養育の手抜きとしての指しゃぶりの利用をしていなかったか、と問われると、苦しいモノがあります。
以下の1,2,のように。

1,「指をしゃぶってくれないかなー、そうすると静かになって私も楽になるのにー」
といった保護者の考え。

2,楽しんだり、暇に任せて指をしゃぶるべきではないという、保護者の硬直した視点。
指は汚い、おもちゃなめも汚い、という保護者の硬直した潔癖症。

続きは、具体的に、どうやってやめさせるか、ということですね。
(参考文献は、岩倉政城著「指しゃぶりにはわけがある」です。)

著者は固執した指しゃぶりを治す年齢は、指しゃぶりの程度にもよりますが、5歳くらいからと考えています。

母親と子供の関係を修復することを前提条件として、治療に入ります。

からしをつけるとか、サックをはめるとか、引き抜くとか、指しゃぶりそのものを直接やめさせる方法は一切しないようにすすめます。
つまり、指しゃぶりにこだわっているお母さんの子育てを修正することなのです。

指しゃぶりを決して叱らない。
指しゃぶりの手を抜かない。
子供のやった良い行動は、ほめる。
これが指しゃぶりを治す方法です。

指そのものに全く関わらない事こそが、実は指しゃぶりを治していく方法だと言っています。

たとえば、空中ブランコで初めて飛ぼうとする少年がぶらさがっている。
そして、指しゃぶりというブランコ、あるいは、おっぱいというブランコにつかまっています。
下には、落ちたときのために網が張ってあります。
そして、向こうには、お母さんが
「ほら、飛んでおいで。おっぱいよりも、指しゃぶりよりも、もっとすてきな世界があるのよ。おいで。いいから。来たら必ず捕まえてあげるから。」
と手を差し伸べてくれる。

そうすると、子供は、心配そうな顔をして、いやいやながらでも、手を離します。
その時の不安を、さっと引き受けらる力が、保育者やお母さんの中で育っていれば、指しゃぶりの問題は解決できるということです。
(参考文献は、岩倉政城著「指しゃぶりにはわけがある」です。)

あまり具体的ではないかもしれなかったですね。
でも、なんとなく概念はわかったでしょ。

もっと楽しい興味を引くようなことを、子供に与えて、それに集中するように、し向けるということですかね。
それが、お母さんと遊ぶことだったり、友達と遊ぶことになるのでしょうね。

前回の、「指しゃぶりを治さないで治す」というの、わかりましたか?
言い方が違っても、伝えたいことは同じ、ということは、ほかにもあります。

野球の場合。
相手が速いピッチャーなら、こちらのバッターに、「高めを振るな」というよりも、「低めをねらえ」と、アドバイスしたほうが効果があるらしい。
「やめろ、やめなさい」といったマイナスの言葉より、プラスのイメージのあることをやらせるほうが良い結果が出るようです。
もっと大事なのは、こちらが余裕を持つこと、一歩高いところから見ることかもしれません。
専門家のアドバイスは正しいとは思いますが、親が、あまりに成果を急きすぎたり、勇気をくじくような言い方をしたりしないように。
とはいっても、子供の言いなりになっていい、というわけではありません。

少年野球を見に行くと面白いです。子供より大人を見るほうが。
ヤジのようなアドバイスをする監督もいます。
なにか会社で嫌なことでもあったの?と言いたくなります。

養老孟司著「逆さメガネ」に、このようなことが書いてあった。

子育ては「ああすれば、こうなる」というものでもない。
だから育児書の通りにはならない。
例えるなら、農作物の「手入れ」のようなものである。
現代人は、「シュミレーションが効かない状態もある」ことを認めたほうがよい。
そういう時には、努力・辛抱・根性しかなかったりする。
楽な方法はない。
ということです。

▲よくある質問に戻る